【はたらくヒト、それぞれのTERAX® vol.3
「この仕事は自然に導かれた使命だと感じる」
セノグラファー・建築家 渡辺瑞帆
東光商事株式会社によって開発された「TERAX®」は、スポーツ用品やフェムテック商品、リカバリーアイテムど、進化系機能素材として多様な商品に採用されている。時代の流れに合わせて進化を遂げ、あらゆる人の生活に寄り添ってきたTERAX®が各業界のトップランナーの生活に密着し、そのヒトならでは仕事術や人生哲学を紐解くインタビュー連載、第3弾。
舞台美術を語源とし、情景や物語を視覚的、図的に創り上げるセノグラファー。片や建築家として二足の草鞋を履く渡辺瑞帆さん。建築集団「ガラージュ」と「セノグラフ」を共同開催し、建築設計や製作をはじめ、演劇活動、人気の展覧会や祭典での活躍も注目される彼女のルーツに迫る。
「それでも建築と演劇が好き」過去と今をつないだ努力の日々。
「建築家を志したきっかけは高校の文化祭でした」夏休み期間を費やし、教室をひとつの劇場に仕立てた経験が建築学への入り口だったという。
「その時は演じることよりも場や空間そのものを作るという行為に興味を惹かれたんです。もっとこの分野について追求したいし、この経験を生かすにはどうしたらいいんだろう?と考えた時、建築を勉強しようと思い立ちました。演劇に実際に携わったのは大学生の頃。友人がはじめた劇団と一緒に一軒家をまるごと使って演劇をする取り組みを行ったときでした。劇場じゃない場所で演劇をするという新しい取り組みだったので、もうとにかく自由にやってやろうと(笑)家の壁をぶち抜いて押し入れの中を真っ赤に塗ったりしたのもいい思い出ですね」
卒業後は設計事務所で修行しながら、演劇活動も継続するハードな日々が続いた。
「朝から夜中まで作業して、週に何度か職場で寝泊まりすることもありました。建築家は莫大な知識とスキルが必要な仕事。そしてライフワークとしての演劇。体力もギリギリで最初は本当に大変だったんです。ただ、“ひたすらやってもやりきれない”というある種の貪欲さと、“それでも建築や演劇が好き”という気力があったので続けることができた。その時頑張った自分が今の自分を助けてくれていると思います」
フィールドワークそのものの価値を提示する存在に。
建築集団「ガラージュ」のひとりとして、東京と兵庫県・豊岡市を拠点に活動中。演劇活動を行う学生のための寮『芝居小屋シェアハウス』や、NPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所と『100年かけて劇場を作るプロジェクト』を発足し、その一環として『喜界島フィールドワーク』を開始。その活動が『35歳以下の若手建築家による建築の展覧会(2024)』にてGold Medalを受賞した。
「今取り組んでいる『喜界島建築フィールドワーク』では、フィールドワークに携わりたい学生を全国から募集して、侃々諤々とリサーチや本づくりを行っています。Gold Medalを受賞した展覧会では、建築にとどまらず演劇や映画づくりも展示しようと、1年目は会場で毎日ダンス公演と映像上映を行ったりしました。その活動自体が私たちの作品含む、周辺の建築の周縁への批評として捉えられ、審査員の方々も注目してくださったんです。今でこそ私たちの活動を評価していただく機会が増えましたが、ものづくりにとことんこだわることと生計を立てること、どう折り合いをつけていくかは常に悩みどころですね」
街に根付いた文化を考察し、そのストーリーに美しさを見出す。
多様な土地でのフィールドワークを経験していく中で、自身のスタイルに変化が現れてきたと語る。
「その街の歴史を知ることで、生まれ育った東京とはまた違う考え方や暮らし方のベースが見えてくるんです。ある街では城下町時代の門が残っていたりして、そこから見える景色や人の姿、産業…街それぞれのストーリーに美しさを見出しました。ストーリーを表現するための演劇や、街の問題を解決するための建築。この手法はここでこそ使うべきだな、というのを見極めて自分の中でバランスを取りながら仕事をしています」
TERAX®︎が日々の活動時に一役買ってくれる。
「仕事と趣味の境目がないタイプで24時間稼働しています。たまになんでここまでやってるんだろうと我に返ることも(笑)演劇はもちろん、美術館や映画館、コンサートへ足を運ぶこと、すべてが勉強。好奇心の赴くままに生きていたい、そんな性分なのかもしれません」
活動的な一方で、オフィスワークが続くタイミングもあるのだそう。そんな時、TERAX®︎のロングサポーターをつけて一日を過ごすこともあるという。
「就寝時に履くこともありますが日中履くことが多いですね。血が巡っている感覚がしっかりあって効果を実感しやすい。忙しいタイミングでは運動する時間がなかなか取れなくて…そんな時にこれを履くとより血行が活性化されて、少し動いただけでもたくさん活動した気分になれるんです」
セノグラフィー兼建築家、ふたつの職業を行き来することへの挑戦。
「セノグラフィーと建築、両者共に専門性が広い上に深い。この二つを兼業するのは私にとって大きな挑戦だったんです。今でもやるべきことや勉強すべきことが山積み。構想したものを建てる前提で、精度の高いアイデアを生み出したい。そのためには建築の知識を今より深めていくことが必要になってくる。日々レベルアップし続けないと自分の思い描いているものにすら追いつけないから。その自分の想像力を超えていくために、常に自分に厳しくすべきだと考えています」
[プロフィール]
渡辺瑞帆
2016年 早稲田大学理工学術院建築学専攻修了。2021年より合同会社ガラージュ代表社員、2024年よりセノグラフ共同主宰。『喜界島建築フィールドワーク』が『35歳以下の若手建築家による建築の展覧会(2024)』にてGold Medalを受賞。他にも展覧会の会場構成や、地方創生の取り組みなど、活動は多岐に渡る。
HP:https://garagearchitects.com/